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内容は無いようです。

2013年6月5日水曜日

ダイヤモンドピクセル構造

2 件のコメント

サムスンが発売したGalaxy S4の有機ELパネルには、新しい画素配列が採用されている。
正式名称かは不明だけど、ダイヤモンドピクセル構造という。

ダイヤモンドピクセル構造

画像を書くのが面倒だから表を使って表現するけど、

b G b G b G b
B b R b B b R
b G b G b G b
R b B b R b B
b G b G b G b
B b R b B b R
b G b G b G b

こういう感じになっている。
各ドットの制御方法なんかは不明。実機を使って確認すれば分かると思うけど、持ってないから分からん。

PenTile

一部では、ダイヤモンドピクセル構造をPenTile(ペンタイル)と言ってるけど、厳密に言えば違う。
サムスンがPenTileと言っていればPenTileだろうけど、ダイヤモンドピクセル構造と言っている。

Galaxy S3に採用された画素配列がPenTileと言う。正確な名称ではPenTile RGBという。

R G B  
/
 
G R
R G B  
/
 
G B
R G B  
/
 
G R
RGB
縦ストライプ
/ PenTile
RGB

PenTile RGBは、R(赤)B(青)のドット幅は、RGB縦ストライプの2個分ある。G(緑)は1個分。
人の眼にはGを認識し易いため、このような配置になっている。

RGB縦ストライプは、RGBの3ドットで1画素。PenTileは、GR、GBでそれぞれで1画素を構成している。画素数は変わらないが、ドット数が減る画素配列になっている。

元々、PenTile RGBは、ハードウェアの限界をソフトウェアで補うという考えで考案された
有機ELパネルで高精細なFMM(Fine Metal Mask)による塗り分けは難しいため、PenTile RGBにし、各ドットをソフトウェアで処理することで人間の眼には問題のない程度の表示を行なうことができるようにする、がPenTile RGBの本質。もちろん液晶パネルにも適用可能。
VESA規格上の1画素という定義には逸脱しない、という前提で成り立っている画素配列でもある。しかし、規格上は問題なくても、人間の眼には通常のRGBストライプに比べると劣った色表現になりやすい。

ちなみに、PenTile RGBはサムスン考案ではなく、別会社が考案した。
その会社から特許とライセンスを買ってサムスンが製造している。なので、ライセンス権はサムスンが保有しているから、PenTile RGBはサムスンしか作ってない理由のひとつになってる。なお、その会社は解散してる。考案者は別の会社を作ってるけど。

Sストライプ

仕様上の色表現は同じでも、やはり色表現が劣るの周知の事実のため、そのためサムスンも他の配列を採用している。
それがGalaxy Note2で採用された画素配列。

B G B G  
1
 
R R
B G B G  
1
 
R R
Sストライプ  

この配列をSストライプと言う。
PenTile RGBより見やすく、1画素に3ドットが割り振られているため、色表現が格段に向上している。

ダイヤモンドピクセル構造の利点

PenTile RGBやSストライプを経て、今回Galaxy S4の有機EL(AMOLED)にダイヤモンドピクセル構造が採用された。
実機を見ると特殊な配列であることを感じさせない。ドットの大きさがかなり小さいから当たり前なのだけど。

b G b G b G b
B b R b B b R
b G b G b G b
R b B b R b B
b G b G b G b
B b R b B b R
b G b G b G b

この配列はかなり考えられた画素配列で、初めて見たときは感心した。

まず、見え方として、RGBの組み合わせ方法が複数あること。上の表を見てRGBの組み合わせ方法を探すとそれがよく分かる。
例えば上から4行目、右から3行目のR(太字にしてある)を基準としてRGBの組み合わせを探すと、上下左右で組み合わせを探すことができる。これで、仕様以上の解像度(画素数のことではなく精細感のこと)が得られやすくなる。この配列方法は、結構前から有り、ブラウン管時代はシャドーマスク方式、液晶パネルはRGBデルタ配列がこれに当たる。

RGBデルタ配列は、

 
R
 
G B R G B
 
G
 
B R G B R G
 
R
 
G B R G B
 
G
 
B R G B R G
- - - - - - - - - - - -

(一番したの文字は表の形を維持するための文字だから気にしないで。)

一列目のRGBは普通どおりだけど、2列目から半分ズレだ状態で配列される。
これにより、ダイヤモンドピクセル構造と同じように、解像度を上げることができる。画素数は上げれないけど、解像度は上げたいという場合にRGBデルタはよく用いられ、デジカメ(コンデジ)の液晶やプリンタの液晶とかに使われている。見た目かなり変わった配列に見えるため、PenTileと思う人もいるかもしれないけど、れっきとした画素配列のひとつである。

ダイヤモンドピクセル構造に話しを戻す。
解像度の面から優れていることもあるけど、製造性も考えられている。
肝は有機EL発光素子の配置場所である。上表を見ても分かるとおり、どの素子も隣は常に黒である。黒い部分を常に置き、有機材の混色のリスクを下げている

ただ、この様に配置すると開口率は下がる。燐光性の有機材が使用され、輝度は稼がれているようだけど、開口率の低下は寿命に直結する。ただ、2年間ぐらい持てば良いと割り切ってしまえば問題ないかもしれないけど、開口率の低下は今後の課題になっていると思う。

おわりに

長々と書いたけど、今回の配列はよく考えられている。
それにこの配列だけとして、このドットの大きさでFMMによる塗り分けしているのは、すごいこと。
ただ、特殊配列ではなく、RGBストライプで生産することを頑張って貰いたい気持ちもある。

2 件のコメント :

  1. Sharpのパネルは、どの配列に当たるんでしょうか?
    国産ということで応援したいし、モスアイも良いと思うのだけれど、
    あの配列だけが好きになれません。

    返信削除
    返信
    1. コメントでの返信だと説明するのが難しいのと長くなるので個別に記事にして投稿しました。

      http://capricciosoassai-annex.blogspot.com/2013/06/blog-post_9.html

      なにか問題があれば再度コメントを頂ければ対応いたします。

      削除

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