本館で投稿した“レビュー - リコーCX6の液晶パネル(WhiteMagic)の性能測定”の裏話的な記事的な何か。
リコーCX6の液晶パネルの性能を測定した記事を本館にて投稿。
ものすごく自己満ですよ。
でも、この液晶パネルを搭載しているデジタルカメラはある訳で、参考程度に掲載。
液晶気にしてデジカメ買う人が何人いるか知りませんけど。
表示品質はさすがの旧ソニーモバイルディスプレイ印。
VAに見られる“のっぺり”した表示ではなくて、“活き活き”した表示という感じ。
色温度やグレースケールでの安定性も注目すべきところで、正直測定するまで、ここまで安定してるとは思わなかった。
画面をそこまで注視しなかったし。
輝度は圧倒的な1,200cd/m2オーバー。
実は、今回測定するために初めて輝度設定をAUTOから最大に切り換えたので、こんなに明るいとは思わなかった。
測定値見て、噴出した。まさか1,000cd/m2オーバーの数値を見るとは思わなかった。さすがのRGBW。
なんでこんな芸当が可能なのか、適当に説明。
RGBで1画素を構成する場合、高輝度を実現するためには、バックライト出力に依存することになる。
これは、RGBで構成されているカラーフィルターが原因で、カラーフィルターはバックライト光のほとんど(約80%程度)を吸収する。当然ながら、液晶パネルには偏光板が存在するため、ここでも10%程度の損失が発生する。このため、液晶パネル全体での光透過率は10%程度になる。これについては本館記事の「ディスプレイ小話集第4話」に少しだけ掲載している。
このため、所定輝度を得たい場合は逆算することになる。
ということは、画面表面輝度で200cd/m2を実現したい場合、2,000cd/m2のバックライトを使用することになる。
同じように、1,000cd/m2ならば、10,000cd/m2である。
このように理論上というか机上では、実現は簡単だけど、実際は簡単にはいかない。
10,000cd/m2の光を発するバックライトを使用すれば消費電力は桁はずれのことになるし、熱も大変なことになる。また、アクティブマトリクス液晶パネルでは、強烈なバックライト光はTFTに影響を与える。
高輝度液晶パネルの製造には高度な技術が必要になる。
このため、このような高輝度が必要な産業用ディスプレイ、モニターに使用される液晶パネルには日本産が多い。
いかに消費電力を抑えるか、光透過率を向上させるか、カラーフィルターの設計を最適化するか、バックライト光の影響からTFTを守るか、廃熱させるか…などなど。
例としてEIZOの“FDX1503”は三菱電機が生産した液晶パネルが搭載されていると思われる。
この液晶パネルはTN方式だが、輝度は1200cd/m2と野外使用を前提としているが、消費電力はわずか35Wである。
WhiteMagicでは、輝度を簡単に向上させるために、Wドットを混ぜる。
Wは当然ながら光の透過率は高い。バックライト光は白色のためである。このため、光を吸収されることは少ない。
これが高輝度を低消費電力で実現できる理由である。
CX6の液晶の場合、
- 従来のRGB構成の液晶パネルが500cd/m2を実現する消費電力で、1000cd/m2が実現でき、
- 従来のRGB構成の液晶パネルが500cd/m2を実現する消費電力の約半分で同等輝度が実現できる
としている。かなりすごいことであることは間違いない。
普通に白を混ぜるだけでは表示劣化が発生するが、信号処理により、これを低減している。実際、劣化は感じない。
このような信号処理は旧ソニーモバイルディスプレイの十八番(おはこ)。
ただ、光漏れが気になる。これがWhiteMagicによる影響なのかは定かではないけど、気になる。
額縁が狭いため光漏れは発生し易いが、アモルファスシリコンではなくて、LTPSによる生産のためこの線は薄そうな気もするけど、額縁付近が顕著のため、この線の可能性も高そう。
くだくだ書いたけど、CX6の液晶パネルが綺麗であることは間違いない。 同じパネルが搭載されているのも同様。
この液晶見た後、1万円前万や4桁台のデジカメの液晶見ると絶望する。 精細度からして違う(これは271ppi)から、比べるのは間違いだけど。
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