Capriccioso Assaiの別館。
内容は無いようです。

2018年11月26日月曜日

18/11/26

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間が空きましたねー寒い訳だ。

FRC

FRCや駆動ビット数についてアレな意見を見たので、この手の文章を書くリハビリとしてFRCについて書いてみる。

FRC(frame rate control)は疑似的に階調を拡張する機能です。技術的なことを書くと、それはそれは面倒なことになります。特に単純な方法でFRCを実装すると色々と粗が出たり階調が不足したりするので、現在用いられるFRCは特に複雑です。

複雑になるのはこれら欠点を回避するためですが、欠点回避のための技術内容を知ると「8bitで実装すれば」思いたくなるのですけど、やはり安価に作りかつ質をできる限り落とさないためには努力が必要です。

FRCを簡単に説明することはできませんが、できる限り簡潔に説明したいと思います。先に書きましたけど、色々と方法がありますから、すべてのFRCが説明するとおりに動いているわけではありません。あくまで一例として説明します。くどいようですが、それぐらい奥深い技術です。

FRCは擬似的に表示階調を拡張する技術です。表示装置における階調表現の上昇は表示品質の上昇につながります。表示階調を増やすためには駆動ビット数を上昇させれば良いわけですが、当然ですがコストが上がります。安価かつ表示装置の駆動回路を単純にし階調を増やすためには、何かしらの方法が必要です。その方法のひとつがFRCです。

FRCはその名の通り、フレームレートをコントールすることにより、擬似的に階調の拡張を実現しています。

人の目は時間分解能が低いため、短期間で見たものを平均化(時間積分)してしまいます(残像効果とも)。液晶パネルや有機ELパネルなどのホールド型ディスプレイではこの時間積分が動きぼやけの原因になりますが、FRCではこの時間積分を利用します。

時間積分が起こる時間でなければいけないため、人の目に感知できない特定の1周期内で実行します。この1周期内でフレーム変調(表示を変える)することで疑似色を作り出します。

では具体的に説明します。1周期は4フレームとし、6bitで駆動する液晶パネルを例に取ります。

6bitで駆動するということは、表示できる階調は64階調(2の6乗)です。そしてRGBの3色(64の3乗)があるので、表示色数は262,144色になります。純粋に表示できる色数です。この色数を元にして階調を拡張します。

次にFRCで疑似色を作る方法を説明します。ここでは説明を簡単にするため、表示できるのは白と黒のみにします。この2色で3階調の拡張を行います。

先に提示したとおり1周期は4フレームです。

まず1/4階調(25%輝度)の表示です。1,2,3フレームは黒を表示し、4フレーム目で白を表示します。これで1/4階調の表示ができます。

1/2階調(50%輝度)の表示は1,2フレームは黒を表示し、3,4フレーム目で白を表示します。これで1/2階調の表示ができます。

3/4階調(75%輝度)の表示は1フレームは黒を表示し、2,3,4フレーム目で白を表示します。これで3/4階調の表示ができます。

そこまで難しいことはないとは思います。ここでは2色でしたが、6bitの場合でも基本は同じです。

拡張できる階調は3階調なので6bitの場合、63×3+64で253階調の表示ができることになります。

階調が足りないと思った人正解です。フルカラーは256階調必要です。253階調では16,194,277色となり、フルカラーの16,777,216色より少ないことになります。かなり前になりますが、液晶パネルのフルカラーがまだ少ない頃にはこの色数(16,194,277色)が多く、見覚えのある方もいるかもしれません。

このような単純な方法では256階調を表示することができません。ですので、少し工夫が必要になります。

現在の256階調が表示できる表示装置は、なんやかんやで階調を増やしています。…いや、本当にこの辺は面倒…というか方法が複数あるので、なんやかんやにさせて下さい。簡単に書けば、どこかの階調間を3階調以上に拡張している、もしくは特定の階調を近い階調と同じ表示にするという感じです。

基本的なFRCはこんな感じです。そして疑似色を作り出す方法にはディザ法というのもあります。FRCは時間的に疑似色を、ディザ法は空間的に疑似色を作り出します。

そして今の表示装置のほとんどは、FRCとディザ法を組み合わせています。

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なお、FRCという名称は疑似色を作る技術の事を指す場合が多いのですが、その名が「frame rate control」なので、フレーム数を増やすもしくは変更する技術にもその名称が使われることがあります。

Mate 20 Pro

Huawei Mate 20 ProにBOE製OLEDが搭載されたそうです。

レビューサイトのMate 20 Proの画素配列の画像を見るとSamsung Displayのダイヤモンドピクセルとは異なる配列になっています。

ifixitの分解記事を見るとLGDが供給しているようです。単独供給ではない可能性もありますし、LGDはダイヤモンドピクセルで前に使っていたので、わざわざ上記配列にするようには思えません。ですけど、特許などの回避のためにLGDがこの配列の可能性もあります。そもそも、上記レビューサイトは分解をしている訳ではないので、真相は不明ですね。

しかし、上記配列どういう画素制御をしているんですかね。

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